出会い−男がハラハラするとき
出会い−男がハラハラするとき
それにしても、女の子は、どうして、みんな、勘がいいのだろう?
特に、今、自分が付き合っているボーイフレンドに対しての嗅覚の鋭さは、
怖いものがある。かすかな匂いを頼りに土の下にあるトリュフを探す豚のように、
女の子が、くんくんと鼻を近づければ、あっという間に、自分以外の女の存在を
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嗅ぎ取ってしまうのだ。何年か前、友達が、ガールフレンドや奥さんを連れて、
集まった時のこと。みんな楽しく、ワイワイ、ゲームをやっている最中に、その中の
Fが、冗談で童話の「赤い靴」を歌い始めた。
これには、理由がある。その日、集盗撮まった友達のIというやつが、付き合っている
ガールフレンドに内緒で、赤いスタジャンを着た女の子とデートしていたところを
仲間に目撃されてしまったのだ。男同士は、そんなことは笑い話ですんでしまうのだけど、
Fは、ちょっと、いたずら心を起こして、わざと、Iのガールフレンドの前で歌って、
Iにハラハラさせてやろうという魂胆だったのである。
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Iが、本当にあせった顔をするので、それとなく、視線で合図しながら、くすくす、
笑っていた。図に乗ったFは、今度は、突然「俺もスタジャンほしいなぁ」
と、つぶやいた。Iは、もう、冷や汗もので、「なんか、のどがかわいたね」とかいって、
話題を変えるのに必死だった。そんなIの狼狽ぶりを楽しんだだけだったのだけど、
翌日、Iから悲痛な声で、電話がかかってきた。あれから、ガールブレンドに、
こっぴどく責められたらしい。つまり、「赤い靴」「くすくす」「スタジャン」
たった、3つのキーワードから、赤いスタジェンを着た女の子と何かあったと、
推測してきたというのだ。出会い系サイトまさに、理屈抜きの動物的本能である。
男が、ハラハラする時っていうのは、そんな「思いがけない時」である。
男は、もともと、理屈ぼいから、女の子が、こう責めてくるなとわかって
いれば、それなりに、いいくるめてしまうのだ。